はり灸ってどんなことをするの?①陰陽五行説

当院のはり灸について、詳しくご説明します。

 

経絡治療は「陰陽五行説」によって成り立っています。

 

まず陰陽論について・・・

 

世界のすべては、「陰」と「陽」のどちらかに分類できます。

「地は陰、天は陽」「夜は陰、昼は陽」「静は陰、動は陽」・・・といったように。

人体も、「女は陰、男は陽」「腹は陰、背中は陽」「足は陰、頭は陽」・・・等々。

といっても陰陽は絶対的な固定したものではありません。

 

「陽極まれば陰になる。陰極まれば陽になる」

1日で言えば、真昼は陽が極まり、真夜中は陰が極まった状態。夜明けが近づくにつれて陰が弱まり、また陽が強くなっていきます。

株価なんかも、永遠に上がり続けることも下がり続けることもありません。

 

また「陰中の陽、陽中の陰」もあります。

背中(陽)にも上の方(陽)と下の方(陰)がある。日陰(陰)にも、ちょっと明るいところ(陽)とすごく暗いところ(陰)がある。

また、女性にも男性ホルモンがあって、男性にも女性ホルモンがありますね。

 

陰陽は相対的だったり流動的だということがおわかりいただけたでしょうか。

 

太極図をご存じですか。

これは、陰と陽の変化を表したグラフのようなものです。

上と下にあるマルポチが、陽中の陰と陰中の陽です。

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太極図を使ってジェンダーの話をしたら、ひと晩越せそうですね。

 

「天地人三才思想」というものがあり、人間は、天(陽)と地(陰)の間にあって、両方の影響を受けながら生きています。

陰陽のバランスが乱れると、からだの不調となって現れます。

 

東洋医学は、からだ全体の陰陽のバランスを整える治療です。

 

ちなみに、「 天地人」と「陰陽」を使ってハングルを勉強すると、ものすごく覚えやすいのですが、その話はまた今度…

 

次に、五行説について・・・

 

五行は、陰陽から生まれ、世界のすべての物の性質を「木」「火」「土」「金」「水」の5つに分類します。

これも絶対的なものではなく、木の中にも木火土金水があります。

この5つは、相生関係、相剋関係、勝復関係といって、相互に関係しています。

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五行説に基づき、五行の色体表(しきたいひょう)に分類されたものを、治療の指針とします。

色体表の中で、

五臓(陰)は、

「木→肝、火→心、土→脾、金→肺、水→腎」 

五腑(陽)は、

「木→胆、火→小腸、土→胃、金→大腸、水→膀胱」

です。

 

と、いうわけで…

まずは、治療風景をイメージしてください。

天と地の間に、患者さんと鍼灸師がいて、天の気と、患者さんの気と、鍼灸師の気と、地の気が、ぐるぐるぐると交流している感じです。